要点
UDI コード、UFI、シリアル化、マシンビジョンなどの規制措置の遵守が、業界標準、製品の安全性、製造業者の追跡性を満たす上でいかに重要な役割を果たすかについて、主要ポイントを以下にまとめました。
- 医療機器には、追跡性、安全性、EU および米国の規制遵守のための UDI コードが必要である。
- 危険製品は、緊急時に対応できるよう、また基準を満たすために UFI を表示する必要がある。
- ロシアの暗号コードのようなシリアル化は、製品の真正性と追跡性を保証する。
- マシンビジョンは、食品安全コンプライアンスのためのアレルゲンラベルの精度を検証します。
欧州連合医療機器規則
欧州連合(EU)では、2017年に、EU 医療機器規則 2017/745(MDR)および EU 体外診断用医療機器規則 2017/746(IVDR)が発行されました。この規制は、医療機器の追跡性を強化するため、機器固有識別子(UDI)に基づいた機器識別システムを定めています。一意の数字または英数字のコードは、機器識別子(UDI-DI)と生産識別子(UDI-PI)で構成され、以下を目的としています。
- 機器を明確に識別する
- 円滑な追跡を促す
- リコールプロセスを簡素化する
- 有害事象報告を迅速に処理する
- 偽造品に対処する
- 医療過誤を削減する
- 患者の安全性を高める
- 医療機関の購買、在庫管理、廃棄物処理を改善する
UDIは、機器のラベル上およびパッケージング4以上のラベル上に、機械と人間が判読可能な形式で表示する必要があります。再利用が可能な一部の機器については、機器自体へのダイレクトマーキングが必要です。EUは、基本UDI-DIを欧州医療機器データベース(EUDAMED)にアップロードすることを求めています。英数字の基本UDI-DIは、カテーテルのように類似した医療機器のグループを識別するものです。純粋に管理用であるため、サプライチェーンでの価値はありません。適切なコーディングがないと、EUで機器を販売できません。
UDI は米国でも義務化され、2014年のクラスIII製品から始まり、2020年にはクラスIおよび未分類の機器へと段階的に導入されました。4 メーカーは、製造する各モデルについて、機器識別情報をグローバル機器固有識別子データベース(GUDID)に提出しなければなりません。また、米国食品医薬品局(FDA)の要件では、メーカーがバーコード検証機を使用してコード品質がグレードC以上を満たしている確認をすることが前提とされています。EUにおけるUDIの割り当てとUDIのコアデータ要素のデータベースへの提出期限は、2020年5月26日でした。米国と同様に、ラベルと包装上のUDI表示の義務化は、機器の分類に応じて順次発効するように施行期限が設定されています。最初の期限はすでに過ぎていますが、その他はこれから期限を迎えます。
| 機器のクラス別EU MDRの施行スケジュール | ||
|---|---|---|
| コンプライアンス遵守 | 機器のクラス | 期限 |
機器のラベル上のUDIキャリア表示 MDR第123(3)(f)号、第27(4)項 | 埋め込み型およびクラスIII機器 | 2021年5月26日 |
| クラスIIaおよびクラスIIb機器 | 2023年5月26日 | |
| クラスI機器 | 2025年5月26日 | |
再利用可能な機器のダイレクトマーキング MDR第123(3)(g)号、第27(4)項 | 埋め込み型およびクラスIII機器 | 2023年5月26日 |
| クラスIIaおよびクラスIIb機器 | 2025年5月26日 | |
| クラスI機器 | 2027年5月26日 | |
IVDR機器、UDIキャリアのラベル表示義務化 IVDR第113(3)(e)号、第24(4)項 | HIVや肝炎検査など、クラスD IVD | 2025年5月 |
| 特定のインフルエンザ検査など、Class C IVD | 2026年5月 | |
| クラスBおよびA滅菌IVD | 2027年5月26日 | |
MDRにおける医療機器の分類定義
クラスI機器
リスクが最も低いとみなされる機器。このカテゴリには、尿漏れパンツなど、一部の大量生産の消費者向け製品が含まれます。
- Class Isは、聴診器や検査用手袋などの滅菌機器で構成されます。
- Class Im機器はリスクの低い類似の測定装置で、体温計、点滴装置、非侵襲性の血圧計などがあります。
クラスII機器
多少リスクが高いとみなされる機器。リスクレベルと身体との接触時間に応じて分類されます。
- コンタクトレンズや硬膜外カテーテルなどのClass IIa機器は、低リスクから中リスクに位置付けられ、60分から30日間身体に装着されます。
- Class IIb機器はより複雑な機器で、中リスクから高リスクに位置付けられ、30日以上身体に装着されます。血糖監視装置、歯科インプラント、点滴ポンプなどがこれに含まれます。
クラスIII機器
高リスクとみなされ、長期間(場合によっては一生)埋め込まれる機器。ペースメーカー、ステント、人工関節などがあります。
IVDの分類も、リスクレベルによって区分されます。リスクが最も低いのはクラスAで、リスクが最も高いのがクラスDとなります。
UDIを付与するには、コードマーキングと検証テクノロジを導入するために、組立と包装ラインの大幅な変更が必要となる場合あり、ラインレイアウトの設計変更と自動化の導入が必要となる場合もあります。UDIコーディングの最も一般的なオプションには、インクジェット、レーザー、熱転写式ラベル印刷/アプリケーション、ダイレクトパーツマーキングがあります。4 コードを検証し、データを取り込むため、マシンビジョンセンサとシステムは、高速で正確な読み取り率を実現し、湾曲面や反射面に付与されたコードを解読できる必要があります。コード読み取りの一貫性は、部品の廃棄を防止するために必要不可欠です。
有害成分
洗濯用洗剤、クリーニング用品、殺生物剤、肥料、接着剤などの有毒な家庭用品の成分を識別するため、EUはマーキング規制を発効しました。これは、こういった製品を摂取したり、何らかの形でこれらに暴露したりした場合に、毒物センターと医療従事者が迅速に最も適切な応急処置を提供できるようにすることを目的としています。
EU規則No 2017/542は、付属書VIIIを追加して、CLP規則(物質および混合物の分類、表示、および包装に関する欧州委員会規則No 1272/2008)を修正するものです。この規則により、危険が潜む製品のラベル/包装に固有の配合識別子(UFI)を付与することが義務付けられます。これまでも、こういった製品には、製品が可燃性、腐食性、爆発性、有毒性などの性質を有することを示す有害物質のピクトグラムやアイコンを表示する必要がありました。16文字の人間が判読可能なUFIは、専有情報であることが多い製品の正確な配合を開示することなく、毒性成分に関する情報を提供します。
ピクトグラムと英数字コードは、ラベル付けや包装と同時にラベルと包装に印字できますが、多くの場合、配合の変更を反映した最新情報を提供するために、包装ラインで付与されます。各コードは判読可能で正確である必要があるため、各商品を検査し、コードが鮮明に印字され、適切に毒素を示していることを確認しなければなりません。規則は、欧州で販売、または欧州市場に導入されている製品に対して、2021年1月1日に発効されました。産業用途の混合物に対する期限は2024年1月1日です。2025年までに、UFIは、健康上の危険または物理的な危険があると分類されるすべての製品のラベルで義務化されます。
EUの加盟国ではありませんが、スイスも化学薬剤、バイオサイド、肥料へのUFIの表示を義務付けており、EU CLP規則の付属書VIIIに準拠しています。消費者向け新製品と欧州経済領域(EU加盟国およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー)から輸入される製品は、2022年1月1日からUFIを表示する必要があります。有害と分類されるその他の薬剤、バイオサイド製品、肥料はすべて、2026年1月1日までにUFIを付与したラベル付けが必要となります。
水およびビールのシリアル管理
2024年までに、生産国を問わず、ロシアで販売されるほぼすべての製品にCrypto Codeの付与が必要となります。ミネラルウォーターとビールは2022年中の準拠が必要です。Crypto Codeには、追跡・トレース用の他のシリアルコードよりも多くのデータを付与できますが、フォーマットを再現するためのプリンタの変更と、コード読み取りのためのバーコードリーダとビジョンシステムの設定が必要となる可能性があります。コードは、識別要素(グローバル商品識別コード(GTIN)およびシリアル番号)と検証要素で構成されます。検証要素は、パブリックキーと暗号キー(識別コードの暗号変換によって生成された文字列)を組み合わせたものです。この2つの要素は純粋なテキスト形式で印字され、強力にエラー修正されてECC200 DataMatrixコードにエンコードされます。印字品質は、バーコードシンボルの印字品質検査仕様であるISO 15415に従った評価で、グレードC以上を達成する必要があります。
食品およびアレルゲンのラベル付け
EUでは、規則No. 1169/2011に基づき、主要な8つのアレルゲン(小麦、魚、甲殻類、牛乳、大豆、卵、ピーナッツ、木の実)のいずれかを含む製品は、これらのアレルゲンが含まれていることを示すアイコンの表示が義務化されています。包装とラベルにも、アレルゲンと出荷先市場を識別する数字のコードを表示する必要があります。この規則は、EUで製品を販売するあらゆる食品および飲料メーカーに影響を及ぼします。通常、アイコンと数字のコードは、ラベル付け/包装と同時に印字されます。場合によっては、QRコードや二次元バーコードが使用されます。
包装ラインのマシンビジョンは、製品に適切なラベルが正しく貼付されていることを確認します。製品の変更が頻繁に行われる焼き商品などの製品ラインでは、これが特に重要です。ラベルの正確性の確認は、連続稼働時間が長くなる可能性があるが、要件(言語、栄養情報など)が異なるさまざまな顧客や市場からの注文に応じるためにラベルが頻繁に変更されるラインでも必要不可欠です。
コード情報があらかじめ印字されているラベル/包装のグラフィックの一部でない場合、こういった包装ラインにインクジェットプリンタ、感熱式プリンタ、またはレーザーコーダーの導入が必要となる可能性があります。あらかじめ印字されていても、ラベル付けの際に印字していても、流れている製品のアレルゲン情報が正しいことを確認するため、コードを読み取り、データベースに照らして確認する機能を備えたマシンビジョンテクノロジが必要です。
米国では、2004年食品アレルゲン表示および消費者保護法に基づき、主要な8つのアレルゲンが含まれている場合、食品ラベルにその食物源を表示しなければなりません。FDAは、成分リストにある名称がアレルゲンの食物源の名称(バターミルクなど)を特定していれば、この要件を満たすとしています。記載されている名称が主要なアレルゲンの食物源を特定していない場合、成分名に続いてカッコで注意書きを付けるか(レクチン(大豆)、小麦粉(小麦)、乳清(牛乳)など)、成分リストの下または横に「含む」という記述を表示する必要があります(「小麦、牛乳、大豆を含む」など)。これらのラベル規則は、2021年4月23日に食物アレルギーの安全、治療、教育および研究に関する法律が可決されたことで、9つ目の主要なアレルゲンとみなされるゴマにも適用されるようになりました。ゴマのラベル付け要件は、2023年1月1日に発効します。